1990年12月 第17回公演『宝石箱の夜』(作・小山内三保子)早稲田銅鑼魔館
「都会のおとぎ話シリーズ。女優、エッセイスト、ジュエリーデザイナーの3人が、それぞれ心に持ちつづけている夢を描いたオムニバスの物語。ミュージカル、コメディ、ストレートプレイを宝石箱のように詰め込んだ4幕劇。」
クリスマススペシャルとして、小山内が書き下ろし。
1991年7月 第18回公演『ラブ・スターズ・デイ』(作.高橋広間)六本木・アトリエフォンテーヌ
「それが何かは知らないが、とても素敵なモノらしい。そんな「ばれんたいん・すとーん」をめぐって、少年、遊び人の剣士、悪者三人娘、森の物の怪たちが繰り広げる、スペクタクル戦国時代風コメディ。恐ろしい物の怪の妖術に、あなたも決して笑わずにはいられないだろう。」
1992年10~11月 第20回公演『ザ・ビジテーション』(作.鷹岡三十三)六本木・アトリエフォンテーヌ
「人間に恋をした木の精が、人間世界で生きていくことを決意する物語。」
鷹岡の新作。ぞんぞんプロデュースでは異色作。
1993年2月 第21回公演『気分はコメディライクに』(作.高橋)銀座小劇場
「公演1か月前、役者たちが演出家とのトラブルで退団。俺たちの芝居はどうなる?!」
1993年8月 第22回公演「ニューヨークスクランブル」(作・高橋)六本木・スタジオNLT
仕込み日は台風で、東京都心は大混乱だった。
1993年12月 第23回公演『宝石箱の夜』(作・小山内)阿佐ヶ谷・スタジオはるか
「都会のおとぎ話シリーズ。女優、エッセイスト、ジュエリーデザイナーの3人が、それぞれ心に持ちつづけている夢を描いたオムニバスの物語。ミュージカル、コメ
ディ、ストレートプレイを宝石箱のように詰め込んだ4幕劇。」再演
女王のリンゴを欲しがる「マッチ売りの少女」と、不思議のマッチを手に入れようとする「この世で一番美しいのは誰?それはあなた様ですの女王様」の化かし合い。妖精たちの不思議な世界に迷い込んだ、クレアとリーと「ハイ」の一言ですべてを表現する通訳の3人は、その騒動に巻き込まれて右往左往。
1995年2月 第25回公演『女たちの熱海殺人事件』(作・つかこうへい(1981年版より))神楽坂・die platze
1995年8月 第26回公演『ぞんぞん西遊記』(作・高橋)六本木・自由劇場
「西遊記のおまぬけ新作エピソード「ジンギスカン鍋の思い出は、シルクロードの恋の味」篇」
1996年1月 第27回公演『23番地の赤い消火栓グラフィティ』(作・高橋)神楽坂・die platze
「よくありますよね。一生懸命になればなるほどうまくいかなくて、あきらめたとたんにあっさり解決してしまうことが。それまで悩んでいたことはいったい何だったんだろう、と世の中がとても不条理に思えてきませんか。日常生活のささやかな不条理をいっぱい詰め込んだハッピーエンドの物語。」
1997年7月 第28回公演『アンコールワット・クライシス』(作・高橋)六本木・アトリエフォンテーヌ
「古都アンコールワットを訪れたユミゾウとジュンは、伝説のシータ姫を救わなければならなくなる。」
1998年6月 第29回公演『アルハンブラ症候群』(作・高橋)学芸大学・千本桜ホール
「シャーロットとジューンの2人のOLが、失恋の旅でアルハンブラ宮殿を訪れる。シャーロットは独特の勘で財宝の謎を解いてしまうが、その財宝は恐ろしい魔法で守られていた。だけどお笑い。だけどちょっとホロリ。」再演
1999年4月 第30回公演『イノセント』(作・おおきめぐむ)江古田・ストアハウス
劇団いんがるふのおおきめぐむの新作を、劇団いんがるふと合同公演。
座長の中村が新ユニットで活動を始める。目標は活動期間5年で5公演。さすが思いつきのB型。
2001年12月 12月プロジェクト*2001公演『こたつで待つクリスマス』(作・高橋)ウッディシアター中目黒
2003年12月 12月プロジェクト*2003#公演『ジングルベルが聞こえる』(作・おおきめぐむ、脚本・高橋広間+)ウッディシアター中目黒
2007年8月 N◇Zプロジェクト公演『ある日、僕らは夢の中で出会う』(作・高橋いさを(劇団ショーマ))新宿サニーサイドシアター
といいつつ、4公演でまたも中断。やはり優柔不断な都会っ子。天海亜樹によると「中村さんはすぐ飽きちゃうから」と。最後の公演からすでに10年を超えているが、中村本人はやると言い続けている。妙に律儀な山羊座。
2019年5月 元号は「令和」になる。
高橋広間による「ぞんぞんプロデュース公演リスト」と失恋の関係年表
※1990年「アルハンブラ・シンドローム」上演台本より修正加筆
1979年2月 「劇団ぞんぞん」結成。
1979年9月 旗揚げ公演『23番地の赤い消火栓』(原案.佐香孝)新大久保・久保スタジオ 俗に言う幻の名作。
中村けんいちはすでに、座長を名乗っていた。
1980年5月 第2回公演『エンドレス・ジグゾー・パズル』(作.ならぶきみよし)信濃町・友愛会ホール
ならぶきの私小説的作品。昔別れた女が登場する。
1981年2月 中村、みやこちゃんにフラれる。新しい脚本ができる。失恋が脚本を創る、という噂がまことしやかに流れ始める。
1981年3月 第3回公演『気分はコメディライク』(作.中村)綾瀬・劇団菩提樹劇場
1981年9月 稽古稽古と叫んでいる中村は、ケイコという女にフラれたからだ、と噂になる。新しい脚本に期待がかかる。
1982年1月 中村の友人あっちゃん、故郷に帰る。新しい脚本ができる。失恋が脚本を創る、という噂が真実味を帯びてくる。
1982年2月 第4回公演『リトル・マーメイド』(作.中村)学芸大学・千本桜ホール 初演。のちに<シリアスバージョン>と呼ばれる公演である。
1982年10月 第5回公演『ブック・エンド』(作.ならぶきみよし) 学芸大学・千本桜ホール 再結成で来日したサイモン&ガーファンクルへの思いをこめて。
1982年11月 中村、みーちゃんにフラれる。新しい脚本ができる。
1982年12月 中村、胸の病を患い1か月入院。傷心の病床で新作をじっくりと推敲する。失恋が脚本を創る、という噂が伝説として定着する。
◎この第6回公演から、劇団名は「ぞんぞんプロデュース」を名乗る。
1984年3月 第7回公演『リトル・マーメイド』(作.中村)学芸大学・千本桜ホール 再演。のちに<コミカルバージョン>と呼ばれる公演である。
同じ脚本でも役者次第で、作風が変わってしまうよい例。
再演ならば失恋しない(かもしれない)という抜け穴は作家たちの心の支えとなる。
1985年3月 第8回公演『舌切雀』(原作.太宰治/脚本.ならぶき)学芸大学・千本桜ホール ならぶきの処女作の6年ぶりREMIXバージョン。もちろん失恋していない。
1985年11月 第9回公演『タイピスト』明大前・宇宙館
1986年3月 第10回公演『かぐや姫リバティ』(作.中村)吉祥寺・櫂スタジオ 天海亜樹がさりげなくデビューする。
3年ぶりの新作。なぜ失恋もせず脚本ができたのか。そしてなぜハッピーエンドなのか。千秋楽、東京の20年ぶりの大雪はその伏線であった。
1986年8月 第11回公演『かぐや姫リバティ』(作.中村)吉祥寺・櫂スタジオ 台風もなく、無事再演。
1987年5月 第12回公演『ザ・シェルター』(作・北村想)新大久保・グループえいとアトリエ
1987年5月 ぞんぞんプロデュースはこの後、1年間の充電期間に入る。
1988年4月 なにごともなく、ぞんぞんプロデュースの充電期間終わる。
1988年5月 予定の公演は延期。脚本ができていないからである。失恋をしないせいだ、と中村は責められる。
1988年11月 第13回公演『デンマーク・コネクション』(作.中村)吉祥寺・櫂スタジオ 叶綾が鮮烈なお笑いでデビューを飾る。南澤大介が音楽を担当する。
1989年1月 元号が「平成」になる。劇団員はほぼ入れ替わり、初期メンバーは“伝説”として語り継がれるようになる。
1989年6月 第14回公演『五番目の季節』(作.小山内三保子)吉祥寺・櫂スタジオ 原口高史、演出デビュー。ライトをいかしたおしゃれな芝居と評判をとる。
かたや、失恋するのは作家とは限らないという現実が、打ち上げで次々と告白される。
1989年12月 第15回公演『リトル・マーメイド '90』(作.中村)田端・die pratze 日暮ちひろがデビュー。無鉄砲な舞台度胸と意外なアドリブが売り。
1990年2月 新作を書き始める。心ときめく純愛物に挑戦。
1990年3月 新作を書き直し始める。心が踊る冒険物に挑戦。
1990年4月 新作を書き改め始める。心せつない悲劇に挑戦。
1990年5月 新作を書き上げる。心のなごむ不条理なお笑いが完成。心に傷を負っている者たちの物語。舞台は古都アルハンブラに設定した。
1990年6月 新作が失恋を呼んだ。伝説は生きていた。
1990年7月 第16回公演『アルハンブラ・シンドローム』(作.高橋広間)吉祥寺・櫂スタジオ